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耐震補強やり直しについて

木造住宅の耐震改修工事について、専門家の伺いたく投稿します。
耐震補強工事を行ったのですが、施工会社から「当初耐力壁として計算していた箇所の壁が計算上使えないため、浴室腰高のブロック壁を耐力壁として参入する」と説明されました。
しかし、ブロック腰壁には亀裂があり、その状態のまま石膏ボードが貼られてしまっています。
・既存の浴室のブロック腰壁を、後から木造の耐力壁として計算に入れること
・亀裂がある可能性のあるブロック壁の上から石膏ボードを施工すること
は、耐震改修として一般的にあり得るのでしょうか。
また、この状況に不安を感じており、第三者の建築士などに改めて確認を依頼したいと考えています。
もし別の専門家に確認や工事のやり直しを依頼する場合、
・耐震計算からやり直す必要があるのか
・現地調査や耐震診断から行うべきなのか
・どのような専門家(構造設計者、耐震診断士など)に相談するのが適切なのか
お教えいただけないでしょうか。

専門家の回答

4件

2026年 3月10日
大阪の設計事務所で、木造の耐震診断資格者です。

耐震補強工事は、まず建築士による耐震診断を行い、
診断書(計算結果)や補強計画書(補強ヶ所と数値が上がった結果書)を
お客様にも渡します。
それらに基づいて施工会社が工事を行います。
また現場に建築士も監理で立ち合い、
出来ない箇所が発生した場合、なぜ出来ないかを施主に説明したり、
補強工事箇所を変更した再計算を行い、指示を出して
施工してもらいます。費用追加があればその説明も有るでしょう。

これら一連の流れを建築士(設計事務所)と施工会社で役割分担する場合もあれば、
設計施工会社が両方を兼ねる場合があります。
兼ねる場合には、社内で連携して対応するのですが、
よく言えば連携、良くない言い方ですと一気に行ってしまって
施主からは再計算したのかどうか、どこに変更になるのか等
各段階での説明や了解を飛ばしてしまう場合もあります。
(よって設計と施工は分離が望ましい)

ブロック腰壁は、一般的には耐力壁にはカウントしません。
仕様詳細を確認して、耐力壁にカウントできる場合もあるかも知れませんが
亀裂や無配筋、土台無し、寸法などで耐力壁には該当しません。

石膏ボードを貼って見えなくしてしまっている場合も、
その下地の構造用合板で耐力壁にしているならば、
建築士が設計監理で現場に行っていれば
写真や目視確認してOKを出すでしょう。
(石膏ボードは耐力壁用の構造用合板の代わりにはなりません。
単なる目隠し)

補助金などもらう耐震工事の場合は再計算書や写真は必須ですが
そうでないなら、そのあたりは各会社にお任せな状態かも知れません。


耐震の再計算は最初に行っていれば、
修正再計算ですので、すぐできます。
最初の計算書が無いなら、イチからになりますし、
計算書を受け取って、その補強計画に対してGOを出すように=工事請負契約を締結、と
しないといけなかったと思います。
(そもそも計算結果も無しですと、耐震補強でどれだけ安全性が高まるのかが分からないまま、工事を依頼するということになる)

工事のやり直しを行うのが現実的なのかどうか、は
現場状況や耐震診断の計算結果にも依ります。
木造のリフォーム設計や耐震補強設計に強い建築士に相談されてはどうでしょうか。

やり直しといっても浴室はユニットバスも施工されるでしょうから、
他の箇所で追加で補強していく、という進め方になるでしょう。

矢印
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矢印
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2026年 3月10日
ヌクマルさま

ご不安に感じられている点はもっともだと思います。少し長文ですがご容赦ください。

まず、既存の浴室ブロック腰壁を後から耐力要素として扱うこと自体は、調査と明確な根拠があれば全く不可能とは言えません。ただ、木造住宅の耐震改修では、一般には筋かい・構造用合板・接合金物などで補強計画を組むのが基本です。既存ブロック腰壁を使うなら、その壁の健全性、木部や基礎との接合状況、ひび割れの有無まで確認したうえで判断すべきで、説明が曖昧なまま採用するのは慎重であるべきだと思います。

また、亀裂のある可能性があるブロック壁を、状態確認や補修方針の説明がないまま石膏ボードで覆ってしまうのは、耐震改修としては不安が残る対応です。特に、その壁を耐震上の要素として扱うのであれば、ひび割れの有無や程度、補修の要否を先に確認しているべきだと思います。

耐震計算については、最初から全部やり直さなければならないとは限りません。工事中に想定と現場状況が違うことはよくあり、その場合は現状を踏まえて必要な見直しを行い、補強計画全体に反映していくのが通常です。今回も、変更があったこと自体より、その変更内容がきちんと検討され、建物全体の耐震性にどう反映されたかを確認することが大切だと思います。

進め方としては、いきなり耐震診断を最初から全部やり直す必要があるとは限りません。まずは、当初の診断書や補強計画書、変更後の計算根拠、施工記録などを確認し、その内容で変更が適切に整理されているかを見るのが先です。そのうえで、資料だけでは判断しきれない場合は現地確認を行い、必要に応じて耐震診断や補強計画の見直しを検討する、という流れが妥当だと思います。

相談先としては、まず木造住宅の耐震診断や耐震改修の実務経験がある建築士が適していると思います。今回のように、計算だけでなく、既存壁の扱い、現場変更、施工内容の確認が関わるためです。そのうえで、補強計画全体の再検討や構造的な判断が必要な場合は、木造に詳しい構造設計者にも確認を依頼するとよいと思います。

補足ですが、耐震診断や補強計画は図面や計算をもとに進めるのが基本です。ただ、それでも不安が残る場合には、実際に建物がどんな揺れ方をするのかを現地で測る方法もあります。

それが微動探査です。人が感じないほど小さな揺れを計測して、地盤と建物の揺れの周期、建物のバランスによって、揺れたときのねじれやすさなどを確認する調査で、計算上の話だけでなく、実際の建物の状態を別の角度から見る材料になります。

なお、微動探査は耐震診断や補強計画の代わりになるものではなく、あくまで実測による補足確認として位置づけるのが適切です。
矢印
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2026年 3月10日
今まで、耐震補強計画(工事監理含め)200件位実施している設計事務所ですが
基本的には浴室のブロック腰壁(コンクリート腰壁含む)等の場合は耐震壁として利用しません。上部に筋かいを入れても筋かい角度の問題があり耐震壁として機能しません。
現況診断の場合もこのような壁は計算に入れません。
現況診断から補強計画をもう一度やり直した方が賢明かと思われます。
矢印
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矢印
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2026年 3月11日
初めまして。クサノユカリ建築設計室と申します。
京都で活動している設計事務所です。

耐震改修としては、いくつか確認が必要な点があると思います。
一般的に木造住宅の耐震計算で耐力壁として扱われるのは、筋かい壁や構造用合板など評価基準のある工法です。既存のコンクリートブロック(CB)腰壁を後から木造の耐力壁として算入するケースは、特別な構造評価がされていない限り、あまり一般的とはいえません。

また、ブロックに亀裂がある場合は、原因や状態を確認し必要に応じて補修したうえで施工するのが望ましく、亀裂のあるまま石膏ボードで覆ってしまう施工には注意が必要です。

不安がある場合は、構造に詳しい建築士や耐震診断士など第三者の専門家に、耐震診断書や補強計画図を確認してもらい、必要に応じて現地調査を依頼するのがよいと思います。必ずしも最初から耐震計算をすべてやり直すとは限らず、図面確認から判断することが多いです。

ご参考になれば幸いです。
矢印
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矢印
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